妬みとうまく付き合う方法とは?妬む人の特徴と妬みの原因・妬みのメリットを解説

生きていく上で、妬みの感情からは逃げられません。

でも、妬みにはプラスの側面もあることをご存知ですか?今回は、妬みはなぜ起こるのか、その原因と対処法についてご紹介します。また妬みのよい部分を引き出し、上手に付き合う方法についてまとめています。

目次

妬みは人間が自然に持つ感情です

あなたは今、身近にいる誰かがうらやましくてたまらず、悔しい、憎いという感情が抑えきれずに困っていたりしませんか?仕事でも、恋愛においても、時に妬みという感情が生まれてしまうことがあります。

誰かを妬むのはつらいことですし、自分がちっぽけで小さな人間だと感じてしまいます。この嫌な感情を何とかしたい!と思いますよね。

でも、まず知っておいてもらいたいのは、妬みの感情を持たない人間はいない、ということ。 幼い子供であっても、親の愛情がとられると思って下の子に意地悪をすることもあります。妬みは、ある意味非常に原始的なもので、誰もが自然に持つ感情です。ですから、必要以上に罪悪感を持つ必要はありません。

妬みの感情がよい方向に働くこともあります。妬みが起こった原因を知り、対処法を知ることで、苦しい感情から抜け出すことができます。

妬みの意味とは?

それでは、「妬み」とは具体的にどのような気持ちを表しているのでしょうか。辞書によれば、妬みは、「他人をうらやましく思い、その分だけ憎らしいと思う感情」と定義されています。

妬みの使い方・例文

「妬み」は、自分よりも優れている(と思い込んでいる)相手が持つ能力や、財産などをうらやましく思い、悔しいという感情を抱いた時に使います。例えば… (例1) 同じ仕事をしているのに、Aさんの方が周りからの評価が高く、悔しい。妬みの気持ちが湧いて、Aさんの悪口を言いふらしてしまった。 (例2) B君のことが好き。でもB君はC子さんと付き合い始めた。私はずっと前から好きだったのに。納得がいかない。イライラして彼女を妬んでしまう。 うらやましいという感情と、憎らしいという怒りを同時に持っている状態と考えるとよいでしょう。

妬みと嫉みの違い

「嫉妬」とセットで使われることの多い「妬み(ねたみ)」と「嫉み(そねみ)」。どちらも、他人と自分を比較してうらやましく思い憎む、という意味ですが、ニュアンスが少し違います。 違いは、感情の向かう先にあります。妬みは、羨ましくて憎いという負の感情の矛先が、相手に向かっている状態です。一方、嫉みは、羨ましくて憎いと思いつつ、自分自身へのいら立ちやくやしさを感じています。

妬みと僻みの違い

妬み、嫉みに似た表現として、「僻み(ひがみ)」という言葉もあります。卑屈さやひねくれた心によって、ものごとを素直に見ることができず、自分が不当に扱われていると感じることをいいます。 妬みは他人のことを認めた上でうらやましいと思う感情ですが、僻みは、相手を認めておらず否定している状態を指します。

妬む人の特徴6個

では、妬みの感情を持ちやすい人は、どのような特徴があるのでしょうか。

特徴1:負けず嫌い

常に、他人と自分を比べることが多い負けず嫌いの性格は、妬みの感情を持ちやすくなります。もしほかの人が優れていても、素直に褒めることができません。誰かが褒めていても、聞き流そうとしたり「いや、でも~」と否定してしまったりします。

特徴2:流行に敏感

最新アイテムが好きで、ブランド物には目がないという人がいます。ただし、純粋に流行の最先端にいたいだけではなく、周りよりいいものを手にすることで優越感に浸りたいという気持ちが隠れていることもあります。 実際の自分よりも大きく見せようという見栄っ張りの気持ちが強い人は、妬みを持ちやすくなります。

特徴3:こだわりが強い

執着心が強く、何事もこだわりをもっている人も、妬みの感情を持ちやすいとされています。いつも同じ友人と付き合ったり、気に入ったブランドの服ばかり選ぶといった特徴があります。また、恋人でなくても、友人が別の人と仲良くしていると悔しくなることもあります。 1つのことに執着する傾向にある人は、特定の人への執着心も持ちやすく妬みの感情につながりやすいのです。

特徴4:没頭できるものが少ない

逆に、こだわりがなさすぎる人も、流されやすく他人の意見や価値観に左右されやすい傾向にあります。人からどう思われているか気になることが多く、他人と比較することでしか自分の評価が見出せません。そして妬みの感情が生まれやすくなります。

特徴5:余裕がない

お金がなかったり、健康状態に不安がある、あるいは自分の境遇に不満があり精神的に余裕がない状態の時は、他人を妬みやすくなります。 満たされていない自分の環境ばかりに目がいってしまい、恵まれた人や幸せそうな人が憎らしくなるのです。そして、他人の不幸を望んでしまうこともあります。

特徴6:ネガティブ思考

悪い方にばかり考える人は、偏ったフィルター越しに世の中を見ており、他人への偏見・不信感が強くなっています。その結果、ありのままに評価を下すことができず、妬みを抱きやすくなるのです。

妬みの感情を持つ原因とは?

同じ状況でも妬みの感情を抱かないこともあります。妬んでしまう根本的な原因はどこにあるのでしょうか。

原因1:自分に自信がない

もっとも大きな原因は、自分が他人より劣っているのではないかと思い、自信が持てないことです。自信の無さは、不安を生みます。不安な気持ちが、妬みを引き起こすのです。 不安という感情はコントロールが難しいものです。起きてもいない悪い妄想にとりつかれやすく、他人のいいところばかりが目につき、劣等感を感じやすくなります。そしてさらに妬みやすくなる、という悪循環が起こります。 幼い時に親から可愛がられなかったりすると、自尊感情が低く自信のない性格になることが多いようです。

原因2:自分に似ている人だと認識している

妬みは、「立場が似ていて、自分と共通点があると思う相手」に対し起こります。自分と全く違う境遇の人に対しては、単純に「すごい」と称賛できることが多いのです。 オリンピック選手や、ノーベル賞受賞学者に嫉妬する、という人はあまりいません。同じレベル(あるいは格下)だと感じていたのに、差がついたと思った瞬間、妬みの感情が生まれるのです。

原因3:自分の可能性を信じている

自分より格上の相手に対しては、妬みは起こりにくいことが分かっています。自分も同じ場所に立てるはずなのに差がついてしまった、と感じたときに強い妬みの感情が起こるのです。それは、自分にもできる!という気持ちがあるからです。 妬みは、自分を正当に評価されていないことへの怒りです。自尊感情が低い人は妬みやすくなりますが、逆に甘やかされ「自分!自分!」と自己顕示欲が強くなっている場合も、妬みやすくなります。

原因4:想像力が豊か

想像力が豊かな人は、物事をフィルター越しに見てしまい、実際よりも大げさに考えがちです。思い込みが強く、先回りして不安になり、不安な気持ちから妬むのです。心が繊細な人ともいえるでしょう。 相手の立場に立って考えることができる一方で、他人との境界線があいまいになりがちです。普通の人ならスルーする場面でも、心にひっかかって妬んでしまい、損をすることもあります。

原因5:自分の努力を否定されたと感じる

自分よりも楽をしている相手が成功したと感じた時、強い妬みが起こります。(成功した相手も運や要領の良さだけでなく、実は陰で努力しているかもしれないのですが) なぜなら、自分のこれまでの努力が否定されたと感じるからです。努力に見合う結果が得られず、強い不公平感を感じたとき、自分への防衛反応として妬みの感情が湧いてきます。

妬みにはメリットもある

妬みは自分を傷つける苦しい感情ですが、使いようによってはいい結果を生み出すこともあります。

メリット1:妬みをバネに努力できる

他人の足を引っ張る方に働きがちな妬み。でも、妬みが起こった時こそ自分の行動を変えるチャンスです。他人に向けられた感情を、自分へのプラスの行動に変えることで、かえってよい結果になることもあります。 妬みの感情は、自分の心を支配してしまうくらい強いものです。でも、足りない部分に気づき、自分磨きを行う強い原動力にもなり得ます。

メリット2:強くなれる

妬みの感情は、太古の昔から人間に備わった本能です。私たち人類は、この感情を利用して、他よりも抜きんでた存在になったり、不公平を正して生き残り、子孫の繁栄を目指してきたのです。 妬みの感情はマイナス面しかないように見えますが、自分の不公平な状態を知り、危機を回避する大切なきっかけとなります。妬みの感情に向き合い、その感情をなくすにはどうしたらいいか考えることで、精神的に強くなることができるのです。

妬みの感情とうまく付き合う方法9個

妬みの感情をなくすには、「人は人」と割り切ることが大切です。でも、そう思いたくても、思い切れないものです。ここでは、妬みの感情が起こったとき上手に対処する方法についてまとめました。

方法1:妬みの感情をしっかり味わう

まずは、とことん妬みましょう。底まで沈んでしまえば、意外なくらいにあっさりと浮き上がることができるものです。ところが、妬みは悪いことと自分の感情を否定すると、余計にそのことばかり考えてしまいます。 「妬みの感情を味わう」と意識してみましょう。なぜ自分は妬んでいるのか、怒りを感じているのか、想いを書き出してみてもいいでしょう。自分の感情に向き合うことで、気持ちを切り替えるチャンスがやってきます。

方法2:相手を認める

少し気分が落ち着いたら、曇った目で相手を見ていないか、振り返ってみましょう。良い評価が得られるには、何らかの理由があったはずです。(行動を起こした、勇気を出したなど) よかった点を認め、尊敬の気持ちに変えることが大切です。はじめは無理やりにでも、口に出して褒めるようにしましょう。習慣にするうちに、自然とポジティブに考えるクセがつきます。

方法3:自分も認める

自分と相手を比較するのはやめて、いったん思考を停止させましょう。今度は自分のよい点にスポットを当てて、自分を褒めることに集中するのです。自分が今持っているものを大切にしましょう。 気持ちが落ち着いたら、今できていない点や、どうすればできるようになるかを冷静に考えてみます。 妬むのは、「自分にもできるはず」という気持ちがあるからです。もちろん、あなたにならできます。相手と同じ土俵で戦おうとせず、違うジャンルを考えてみてもよいでしょう。必ず、あなたが活躍できる場所があるはずです。

方法4:勝ち負けで判断しない

自分と相手をジャッジして、「勝ち」「負け」と判断するのをやめましょう。人間の能力は、単純に点数をつけられるものではありません。 比較して勝ち負けを決めるのではなく、お互いのよい点をあげてみましょう。「Aさんは自分よりも美人」ではなく、「Aさんはオシャレで華やか」「私は温厚で穏やか」とそれぞれの価値を評価します。すると、お互いのいいところが見えてきて、漠然とした妬みはなくなります。

方法5:他人の目を気にしない

勝ち負けを意識するのは、他人からどう思われているかを気にしすぎているためです。「相手が上」「自分が下」と勝手にランキングづけをしたところで、ほかの人が同じように感じているとは限りません。 自分は意識していても、他人はそれほど見ていないことも多いのです。みんな、自分の人生で手一杯です。自分の人生に責任が持てるのは自分だけ。他人の評価を気にしすぎるのはやめましょう。

方法6:妬みの感情をコントロールする

怒りの感情は、6秒後にピークを迎えるとされ、この瞬間に不用意な発言で相手を怒らせたり、取り返しのつかない行動をとってしまうことが多いといわれています。妬みによる怒りが湧いたときは、アンガーコントロールを意識しましょう。 カッとなった時は、5秒かけて息を吸い、10秒かけて妬みの感情とともに吐き出します。副交感神経が刺激されて、気持ちが落ち着くはずです。「人は人」とおまじないのように唱えるのもいいでしょう。瞬間的な怒りをやり過ごすことが大切です。

方法7:距離をあける

妬みがやめられない時は、思い切って相手と距離をあけてみましょう。情報が入ってこない状態にすることで、自分の気持ちをなだめることができます。 仕事仲間や近所で、つきあいが避けられないなら、心理的に距離をあけるのもいいでしょう。そっけなくなるかもしれませんが、気持ちが落ち着くまでの対処法としては有効です。 時間がたてば気持ちは変わるもの。何年も妬み続けるのはかえって難しいことです。自分の精神状態が落ち着けば、妬みは必ず静まります。

方法8:すべてを手に入れることはできないと悟る

隣の芝生は青く見えます。楽をして幸福を手に入れたように見える人も、実は人知れず努力していたりするものです。また家族や、健康などの別の分野では苦しんでいるかもしれません。 相手が持っていて自分が持っていないものもあれば、その逆もあります。全てを手に入れることはできません。相手の持ちものを欲しがってばかりいては、一生幸せにはなれません。思い通りにならないことを、楽しむくらいの心のゆとりが大切です。

方法9:行動を起こす

上手くいかなくても、ベストを尽くしたという達成感があれば、案外妬みは起こらないものです。これまで、恥をかくのが嫌だ、失敗したくないという感情がブレーキになって、本気で行動を起こせていなかったのではありませんか? 仕事に打ち込む、新しい趣味を見つける、メイクの腕を上げる、ダイエットをする、何でもいいので行動を起こしてみると、妬む余裕すらなくなります。そして、自信もついてきます。自分に自信が持てるようになれば、妬む気持ちは消えていきます。 妬みから逃れられないなら、わざと忙しくしてみるのもいいかもしれません。妬むのは、時間に余裕があるからです。妬む時間が持てないほど何かに打ち込んでみるのもいいでしょう。

妬みを持つ人は生命力が強い

妬みは生き残るための大切な機能だとお伝えしました。妬みの感情が強い人は、生きる力がとても強い人ともいえます。 ですから、妬みを持つ自分を恥ずかしいと思う必要はありません。自分の人生をひたむきに生きている証拠ですから、まずは自分自身を認め、受け入れてあげましょう。

気持ちをきりかえ、行動を起こすことであなた自身の成長につなげることも可能です。妬みの感情を上手く利用して、レベルアップを目指しましょう!

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